영국 작가 조지 오웰이 60여년 전에 쓴 '1984'는 스탈린 治下(치하)의 소련을 모델로 하여 전체주의의 미래상을 그린 소설이라고 한다. 이 책을 읽어보면 소련이 아니라 지금의 북한에 딱 들어맞는 소설임을 알게 된다. 소련은 1953년 스탈린의 사망 이후 전체주의가 서서히 약화되었다. 특히 흐루시초프가 1956년에 스탈린 格下(격하) 연설을 한 이후엔 강제수용소가 사라지고 암살과 처형이 금지되었다. 1984식으로 인간을 로보트로 改造(개조)한 곳은 북한밖에 없다. 그런 점에서 '1984'는 북한정권과 남한의 從北(종북)세력을 본질적으로 이해하는 데 가장 유효한 안내서이다. 문학의 天才(천재)는 그 어떤 학자나 정치인보다도 인간과 역사에 대하여 先見力(선견력)이 있다는 사례가 오웰의 경우이다.
이 책의 名言들을 소개한다.
"오늘의 기준으로 본다면 中世의 천주교는 너그러운 편이었다. 그 한 이유는 과거엔 정부가 시민들을 항상 감시할 수단이 없었기 때문이다. 출판이 시작되면서 여론을 조작하기가 쉬워졌다. 영화와 라디오는 이런 경향을 강화시켰다. 텔레비전 기술의 발전으로, 즉 한 기계로써 동시에 정보를 주고 받게 되면서 私생활은 없어졌다."
언론의 발달은 민주주의 발전에 기여한다고만 알려져 왔다. 오웰은 言論을 공산주의자가 장악할 경우, 사상통제의 兇器(흉기)가 될 수 있음을 지적하였다. 오웰이 예로 든 출판, 라디오, 영화, 텔레비전에 지금은 인터넷이 더해졌다. 이 매체들이 좌경화되면 중세 암흑시대보다 더한 암흑상이 벌어질 수 있다. 문명의 利器(이기)에 의하여 연출되는 이런 사태는 '白晝(백주)의 암흑'이다.
'1984'가 그리는 私생활 없는 나라의 구호는 '大兄(대형)이 너를 보고 있다'("BIG BROTHER IS WATCHING YOU")이다. 북한 사람들의 집집마다 벽에 붙어 있는 김일성과 김정일의 초상화가 바로 그 大兄이다.
조지 오웰은 스페인 內戰 때 공산주의의 실상을 체험한 사회민주주의자이므로 그들의 전술과 전략, 그리고 이들의 한계를 본질적으로 파악할 수 있었다. 모든 공산당이 집권하면 역사관부터 조작하는 것은 그렇게 함으로써 인간의 가치관을 바꿀 수 있다는 것을 알기 때문이다. 오웰은 이렇게 말한다.
"黨의 슬로건은 '과거를 통제하는 사람이 미래를 통제한다. 미래를 통제하는 사람이 과거를 통제한다'였다."
공산주의자들은, 權力(권력)을 잡으면 과거사를 조작함으로써 미래를 장악하는 일부터 시작한다는 것이다. 역사관을 조작할 수 있는 세력은 정권을 빼앗기지 않는다.
"의식화되기 전에는 그들이 절대로 반란을 일으킬 수 없다. 그런데 그들이 반란을 일으킨 후가 아니면 의식화될 수가 없다."
("Until they become conscious they will never rebel, and until after they have rebelled they cannot become conscious.")
이 말은 북한주민들의 딜레머를 지적하는 느낌이다. 북한주민들이 의식화되어야 수령독재체제를 반대하는 행동을 할 터인데, 그런 의식화는 행동을 통하여서만 만들어질 수 있다. 이런 악순환의 구조를 깨려면 외부에서 정보가 들어가야 한다. 對北(대북)풍선날리기나 휴전선의 對北방송이 그런 역할을 한다.
"자유란 2 더하기 2는 4라고 말할 수 있는 자유를 의미한다. 그렇게 하는 게 허용된다면 다른 모든 것은 따라오게 되어 있다."
("Freedom is the freedom to say that two plus two make four. If that is granted, all else follows.")
'2 더하기 2는 4'라는 것은 증명된 진실을 상징한다. '6·25는 南侵(남침)이다' '천안함 爆沈(폭침)은 북한 소행이다' '김정일은 나쁜 놈이다' '李承晩과 朴正熙는 위대하다'는 것도 증명된 진실이다. 이런 진실을 두려움 없이 말할 수 있는 사회, 즉 언론자유가 보장된 사회는 공산화나 독재화되지 않는다는 의미이다. '6·25는 南侵이다' '천안함 爆沈은 북한 소행이다' '김정일은 나쁜 놈이다'는 말을 하는 게 조심스러워지기 시작한다면 그런 사회는 위험해진다. 한국 사회는 그 단계에 進入(진입)하였다. 오웰의 이 名言과 비슷한 것으로 '언론자유는 모든 자유의 어머니'라는 말이 있다.
"우리는 인간의 마음을 통제함으로써 물질을 통제한다. 현실은 머리 속에 있다."
("We control matter because we control the mind. Reality is inside the skull.")
思想(사상)을 바꾸면 현실을 改造할 수 있다는 이야기이다. 오웰은 사상을 바꾸는 가장 유력한 수단이 언어 조작임을 간파하였다.
'1984'의 大兄이 다스리는 나라 오세아니아엔 이런 구호가 도처에 붙어 있다.
"전쟁은 평화이고, 자유는 예속이며, 無識(무식)은 힘이다."
("WAR IS PEACE, FREEDOM IS SLAVERY, IGNORANCE IS STRENGTH.")
이 나라의 거짓말 전문 선전부서의 이름은 眞理省(진리성)이다. 침략 전쟁을 좋아하는 국방부의 이름은 平和省(평화성)이다. 양심수들을 고문, 처형하는 법무부의 이름은 愛情省(애정성)이다. 물자 부족으로 시달리는 나라의 경제부처는 풍부省이다.
지금 한반도의 김정일 세력이 쓰는 國語사전도 의미가 거꾸로 되어 있다.
"퇴보는 진보이고, 살인마는 위원장이며, 화해는 도발이고, 통일은 분열이다."
1984의 나라 오세아니아에선 '뉴스피크'라는 새로운 언어를 만들어 보급함으로써 비판적 思考(사고) 자체의 씨를 말리려 한다. '뉴스피크' 사전의 특징은 단어수가 점점 줄어들고 略語(약어)가 많아진다는 점이다. '뉴스피크'가 정착되면 사람들은 黨의 오류를 비판하려고 하여도 단어가 떠오르지 않아 할 수가 없다. 아니 그런 생각 자체가 떠오르지 않는다.
한글專用의 확산이 한국인을 그렇게 만들지 모른다.
'뉴스피크'라는 新言語(신언어)의 문법엔 '二重사고'(Doublethink)가 있다. 두 가지 모순되는 의미를 모순을 느끼지 않고 容認(용인)하는 사고방식이다. 'blackwhite'라는 단어는 다음과 같은 의미로 쓰인다. 먼저 敵에게 적용될 때는 '검은 것을 희다고 우기는 억지'란 의미이다. 이 단어가 黨員(당원)에게 적용될 때는 '黨이 원하면, 검은 것을 희다고 말할 정도의 무조건적인 충성심'을 의미한다.
천안함 爆沈이 북한 소행임을 부정하는 자들속에서 이런 二重사고를 볼 수 있다. '천안함 폭침'이란 단어가 이들에겐 '천안함이 북한에 의하여 폭침되었다고 우기는 억지'라는 의미를 갖는 동시에 '필요하다면 천안함이 북한에 의하여 폭침된 것이 아니라고 우길 수 있는 신념'이란 의미도 띤다. 이런 자들에겐 거짓과 진실이 의미가 없다. 이들은 자신의 신념에 맞추어 언어의 의미를 자유자재로 변환시킨다. 신념이 사실을 改造하는 것이다.
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1984年 (小説)/일본판 위키피디아에서.
概要 [編集]
トマス・モア『ユートピア』、スウィフト『ガリヴァー旅行記』、ザミャーチン『われら』、ハクスリー『すばらしい新世界』などのディストピア(反ユートピア)小説の系譜を引く作品で、スターリン体制下のソ連を連想させる全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いている。なお、著者などは言及していないが「1984年」という年号は、本作が執筆された1948年の4と8を入れ替えたアナグラムであるという説が一般的である。これによって、当時の世界情勢そのものへの危惧を暗に示したものとなっている。
出版当初から冷戦下の英米で爆発的に売れ、同じ著者の『動物農場』やケストラーの『真昼の闇黒』などとともに反全体主義、反集産主義のバイブルとなった。
1998年にランダム・ハウス、モダン・ライブラリーが選んだ「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」、2002年にノルウェー・ブック・クラブ発表の「史上最高の文?」[1]に選出されるなど、欧米での評価は高く、思想・文学・音楽など様々な分野に今なお多大な影響を与え続けている。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。 →[記述をスキップ]
あらすじ [編集]
1950年代に発生した核戦争を経て、1984年現在、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアの3つの超大国によって分割統治されている。さらに、間にある紛争地域をめぐって絶えず戦争が繰り返されている。作品の舞台となるオセアニアでは、思想・言語・結婚などあらゆる市民生活に統制が加えられ、物資は欠乏し、市民は常に「テレスクリーン」と呼ばれる双方向テレビジョンによって屋内・屋外を問わず、ほぼすべての行動が当局によって監視されている。
ロンドンに住む主人公ウィンストン・スミスは、真理省の役人として日々歴史記録の改竄作業を行っていた。物心ついたころに見た旧体制やオセアニア成立当時の記憶は、記録が絶えず改竄されるため、存在したかどうかすら定かではない。スミスは古道具屋で買ったノートに自分の考えを書いて整理するという、禁止された行為に手を染める。ある日の仕事中、抹殺されたはずの3人の人物が載った過去の新聞記事を偶然に見つけたことで体制への疑いは確信へと変わる。「憎悪週間」の時間に遭遇した同僚の若い女性、ジューリアから手紙による告白を受け、出会いを重ねて愛し合うようになる。また、古い物の残るチャリントンという老人の店を見つけ、隠れ家としてジューリアと共に過ごした。さらにウインストンが話をしたがっていた党内局の高級官僚の1人、オブライエンと出会い、現体制に疑問を持っていることを告白した。エマニュエル・ゴールドスタインが書いたとされる禁書をオブライアンより渡されて読み、体制の裏側を知るようになる。
ところが、こうした行為が思わぬ人物の密告から明るみに出て、ジューリアと一緒にウィンストンは思想警察に捕らえられ、オブライエンによる尋問と拷問を受けることになる。彼は「愛情省」の101号室で自分の信念を徹底的に打ち砕かれ、党の思想を受け入れ、処刑(銃殺)される日を想いながら"心から"党を愛すようになるのであった。
登場人物 [編集]
ウィンストン・スミス
39歳の男性。真理省記録局に勤務。キャサリンという妻がいるが、別居中。しばしば空想の世界に耽り、現体制の在り方に疑問を持ち、テレスクリーンから見えない物陰で密かに日記を付けている(イングソック下においては極刑相当の「思考犯罪」行為である)。ネズミが苦手。見捨てられた存在であるプロール達に「国を変える力がある」という考えの持ち主。
ジューリア
26歳の女性。真理省創作局に勤務。青年反セックス連盟の活動員。表面的には熱心な党員を装っているが、胸中ではスミスと同じく党の方針に疑問を抱いている。党の情報の改竄等の、自分自身にあまり関係のないことには興味が無い。ウィンストンに手紙を使って告白をし、監視をかいくぐって逢瀬を重ねる。豊かな黒'658を持つグラマラスな女性。
オブライエン
真理省党内局に所属する高級官僚。他の党員と違い、やや異色の雰囲気を持つ。ウィンストンの夢にたびたび現れる。後にウィンストンに接近し、秘密結社『兄弟同盟』の一員であると名乗る。だがそれはウィンストンを陥れるための嘘であり、本当は党に対し絶対的に服従している。人心掌握の術に長け、自身も「二重思考」を巧みに使いこなし党の任務を果たす。
トム・パーソンズ
ウィンストンの隣人。真理省に勤務。肥満型だが活動的。献身的でまじめな党員。幼い息子と娘がおり、二人とも父と同じく完全に洗脳されている。自身の寝言を子供に密告されて逮捕される。
パーソンズ夫人
トム・パーソンズの妻。30歳くらいだが、年よりもかなり老けて見える。親を密告する機会を虎視眈々と狙っている自分の子供達に怯えている。
サイム
ウィンストンの友人。真理省調査局に勤務。言語学者でニュースピークの開発スタッフの一人。饒舌で、また頭の回転も速い。その性格が仇となり、序盤で「蒸発」する。
チャリントン
下町で古道具屋を営む老人。63歳のやもめ暮らしで、古い時代への愛着を持つ数少ない人物の一人。ウィンストンとジューリアの密会の場所を提供する。その正体は秘密警察の隊員。年齢も60代ではない。
偉大な兄弟(ビッグ・ブラザー)
オセアニア国の指導者。肖像では黒'661をたくわえた温厚そうな人物として描かれている。モデルはヨシフ・スターリン。度重なる歴史改竄のため、来歴どころか本当に実在するのかさえ不明。
エマニュエル・ゴールドスタイン
かつては「偉大な兄弟」と並ぶ指導者であったが、のちに反革命活動に転じ、現在は「人民の敵」として指名手配を受けている。「兄弟同盟」と呼ばれる反政府地下組織を指揮しているとされる。党によれば、いかにも狡猾そうで山羊に似た顔立ちの老人。モデルはレフ・トロツキー。ゴールドスタインという名は、トロツキーの本名「ブロンシュタイン」のもじりである[2]。
設定 [編集]
地理 [編集]
『1984年』の世界のおおまかな地図。ピンクはオセアニア、オレンジはユーラシア、黄緑はイースタシア。間の白い地域は紛争地域であるオセアニア (Oceania) は、物語の舞台になる第三次世界大戦後の超大国。イデオロギーは「イングソック(下記参照)」。旧アメリカ合衆国をもとに、南北アメリカおよび旧イギリス、アフリカ南部、オーストラリア南部(かつての英語圏を中心とする地域)を領有する。
残る超大国は、旧ソ連をもとに欧州大陸からロシア極東にかけて広がるユーラシア(Eurasia、イデオロギーは「ネオ=ボリシェビキズム」)、旧中国や日本を中心に東アジアを領有するイースタシア(Eastasia、イデオロギーは「死の崇拝」あるいは「個の滅却」)。どの国も一党独裁体制であり、イデオロギーにもそれほど違いは無い。
これら3大国は絶えず同盟を結んだり敵対しながら戦争を続けている。表向きは、各国とも世界支配のため他の大国を滅ぼすべく戦っているが、実態は世界を分割する3大国が結託し、労働力を浪費して富の増加による階級社会の不安定化や崩壊を防ぎ、支配と権力を半永久的に維持するために行っている永久戦争である。三大国はどれも戦争で滅ぼすことは不可能である(オセアニアは海に守られているため、ユーラシアは国土が広大であるため、イースタシアは人口が多く勤勉であるため)。 北アフリカから中東、インド、東南アジア、北オーストラリアにかけての一帯は、これら3大国が半永久的に争奪戦を繰り広げる紛争地域である。
エアストリップ・ワン(Airstrip One / エアストリップ一号)は、この物語の舞台となるオセアニアの一区域。最大都市はロンドン。かつて英国とよばれた地域に相当し、ユーラシアに支配されたヨーロッパ大陸部とは断絶状態にある。エアストリップ(緊急用滑走路)の名のとおり、その主たる存在意義は、航空戦力でユーラシアに対峙・反撃する最前線基地であることと想定される。いわばオセアニアの不沈空母である。ロンドンには絶えずミサイルがどこからか着弾している。
党とイデオロギー [編集]
党は、「偉大な兄弟(ビッグ・ブラザー、なお英語の Big Brother に独裁者という意味があるのはこの作品に由来する)」によって率いられる唯一の政党である。「偉大な兄弟」は国民が敬愛すべき対象であり、町中の到る所に「偉大な兄弟があなたを見守っている」(BIG BROTHER IS WATCHING YOU) という言葉とともに彼の写真が張られている。しかし、その正体は謎に包まれており、実在するかどうかすらも定かではない。党の最大の敵は「人民の敵」エマニュエル・ゴールドスタインで、オセアニアと党を崩壊させるためのあらゆる陰謀の背後に彼がいるとされる。国民は毎日、テレスクリーンを通して彼に対する「二分間憎悪」を行い、彼に対する憎しみを'366り立てる。テレスクリーンの登場により、全国民は党の監視下に置かれ、私的生活は存在しなくなっている。
党のイデオロギーはイングソック(IngSoc、Ingland Socialism, つまりイングランド社会主義の略)と呼ばれる一種の社会主義であり、核戦争後の混乱の中、社会主義革命を通じて成立したようだが、誰がどのような経緯で革命を起こしたのかは、忘却や歴史の改竄により明らかではない。ゴールドスタインのパンフレットによれば、そのイデオロギーの正体は「寡頭制的集産主義」とでも呼ぶべきもので、「社会主義の基礎となる原理をすべて否定し、それを社会主義の名の下におこなう」ことであるという。もとは社会主義運動の中から発したが、現在は中層階級が下層階級を味方につけて上層階級を倒す事態を永久に防ぎ、非自由と不平等を恒久的なものにすることを目的としている。
党の3つのスローガンが、至る所に表示されている。これらはゴールドスタインの本の各章の題名でもある。
戦争は平和である (WAR IS PEACE)
自由は屈従である (FREEDOM IS SLAVERY)
無知は力である (IGNORANCE IS STRENGTH)
国民 [編集]
オセアニアの権力構造を示したピラミッド図。ビッグ・ブラザーを頂点に党内局、党外局、プロレが描かれている党には中枢の党内局(党中枢) (inner party) と一般党員の党外局(党外郭) (outer party) がある。党内局員は黒いオーバーオール(かつての労働者階級の作業着だったとされる)を着用し、貴族制的な支配階級(上層階級)で、世襲でなく能力によって選ばれ、テレスクリーンを消すことができる特権すらある。党外局員は青いオーバーオールを着る中間層(中層階級)で、党や政府の実務の大半をこなす官僚たちである。党の主要な監視対象は、上層階級に対して立ち上がる可能性のある中層階級である党外局員であり、党内局員も党外局員も反抗の意思を少しでも見せたら密告などに遭い、思想警察(思考警察)に連行され「蒸発」してゆく。「蒸発」した人間は存在の痕跡を全て削除され、その者は"初めからこの世に存在していなかった"(ニュースピークで言う「非存在」)として扱われる。
党に関わりを持たない人々はプロレ(2009年新訳ではプロール、the proles、プロレタリアの略)と呼ばれ、人口の大半を占める被支配階級(下層階級)の労働者たちであるが、娯楽(酒、ギャンブル、スポーツ、セックス、またその他「プロレフィード(Prolefeed、直訳すると「プロールの餌」)」と呼ばれる、党の制作した人畜無害な小説や映画、音楽、ポルノなど)が提供されている。彼らに対する政治教育は行われておらず、識字率も半分以下である。多くはテレスクリーンさえ持っておらずそれゆえ監視もされていないが、党はプロレ階層を社会を転覆させる能力のある脅威であるとは全く見ておらず、動物を放し飼いにするように接している。彼らは10代から働き、早くに子供を作って60歳までには死んでしまう。重労働が彼らを蝕み、彼らの住む貧民地区にはおびただしい犯罪が横行している。
党外局員およびプロレの生活水準はきわめて低いが、テレスクリーンによる宣伝によれば日用品などの生産は毎年驚くほど伸び続けており、1950年代の革命以前の社会は言語を絶するほどの貧しさだったという。もっとも過去の統計や過去に発表された目標数値は改竄され続けており、今より昔のほうが生活が豊かだったことを証明することは不可能である。
人間の性本能や愛情は抑圧されている。党は神経学的に性本能を抹殺し、性行為から快楽を除去しようと試みており、党や「偉大な兄弟」以外への愛情は必要としない。プロレの性に関しては放置されているが、党員の場合、結婚は党への奉仕のために子供を生むための「儀礼」であり、男女間に肉欲がある場合は結婚を許可されない。若者の間には「青年反セックス連盟」というものがあり、完全な独身主義を提唱し性を汚すキャンペーンを行っている。
政府 [編集]
オセアニアには単一の首都は存在しない。オセアニアの各地域の国民は他地域や他民族による支配を感じておらず、ロンドンやニューヨークなど各地方の中心都市による自治が行われていると認識している。ロンドン市内には政府省庁の入った4つのピラミッド状の建築物がそびえ立っており、それぞれに3つのスローガンが側面に書かれている。
平和省(The Ministry of Peace、ニュースピークでは Minipax)
軍を統括する。オセアニアの平和のために半永久的に戦争を継続している。
豊富省(The Ministry of Plenty、ニュースピークでは Miniplenty)
絶えず欠乏状態にある食料や物資の、配給と統制を行う。
真理省(The Ministry of Truth、ニュースピークでは Minitrue)
オセアニアのプロパガンダに携わる。政治的文書、党組織、テレスクリーンを管理する。また、新聞などを発行しプロレフィードを供給するほか、歴史記録や新聞を、党の最新の発表に基づき改竄し、常に党の言うことが正しい状態を作り出す。
愛情省(The Ministry of Love、ニュースピークでは Miniluv)
個人の管理、観察、逮捕、反体制分子(本物か推定かにかかわらず)に対する尋問と拷問を行う。連れてきた者を、最終的に党を愛させるようにし、その後処刑する。
真理・愛情の両省で「思想・良心の自由」に対する統制を実施。
ニュースピーク [編集]
ニュースピーク (Newspeak、新語法)は、思考の単純化と思想犯罪の予防を目的として、英語を簡素化して成立した新語法である。語彙の量を少なくし、政治的・思想的な意味を持たないようにされ、この言語が普及した暁には反政府的な思想を書き表す方法が存在しなくなる。
付録として作者によるニュースピークの詳細な解説が載っている[3]。 これによるとニュースピークにはA群B群C群に分けられた語彙が存在し、A群には主に日常生活に必要な名詞や動詞が含まれ、その意味は単純なものに限定され文学や政治談議には使用しにくいもののみがイングソックによる廃棄をまぬがれる。B群には政治に使用される用語が含まれ少なからずイデオロギーを含んだ合成語が含まれる(例: goodthink(正統性)、crimethink(思想犯罪))。C群にはほかの語群の不足を補うための科学技術に関する専門用語が含まれる。
またニュースピークは現代英語を必要最小限にまで簡略化することを目指しており、現在では別々の言葉が似たような意味を持つという理由で統合され名詞や動詞の区別も接尾語により変化する。たとえばthought(思想[名詞])はニュースピークの文法では think(考える[動詞])で代用でき、speed(速さ[名詞])に形容詞をあらわす -ful や副詞をあらわす -wise を加えることでそれぞれの品詞に自在に変化する。bad をあらわすには good に否定の接頭語 un- をつけた ungood でこと足り、強意表現はplus-, doubleplus- といった接頭語をつけることで表現される。また、Minipax などのように略語を極端に採用しているが、これによって本来の語源を考えることなくまったく自動的に単語を話すことができる(これにはかつてソ連が「コミンテルン」などのような略語を多用したことの影響がある)。
新語法(ニュースピーク)辞典が改定されるたびに語彙は減るとされている。それにあわせシェークスピアなどの過去の文学作品も書き改められる作業が進められている。改訂の過程で、全ての作品は政府によって都合よく書き換えられ、原形を失う。free の意味も「free from ~」(~がない)の意味しか残らず「政治的自由」「個人的自由」の意味は消滅しているなど変化しており、原文の意味を保って自由や平等を謳う政治宣言などをニュースピークに翻訳することは不可能になる。
なお、ニュースピークという言葉自体が既にニュースピークである。本来、speak という単語に名詞としての用法は無い。
ダブルシンク [編集]
ダブルシンク(doublethink、二重思考)は、1人の人間が矛盾した2つの信念を同時に持ち、同時に受け入れることができるという、オセアニア国民に要求される思考能力である。現実認識を自己規制により操作された状態でもある。
過去を支配する者は未来まで支配する。現在を支配する者は過去まで支配する
政府が過去を改竄し続けているのは、党員が過去と現在を比べることを防ぐため、そして何よりも党の言うことが現実よりも正しいことを保証するためである。党員は党の主張や党の作った記録を信じなければならず、矛盾があった時は「犯罪中止」により誤謬を見抜かないようにし、万一誤謬に気づいても「二重思考」で自分の記憶や精神の方を改変し、党の言うほうが正しいということを認識しなければならない。
古代の専制者は命じた。汝、するなかれと。全体主義者は命じた。汝、すべしと。我々は命じる、汝、かくなり、と
オブライエンの言によれば、かつての専制国家は人々に対しさまざまなことを禁止していた。近代のソ連やナチス・ドイツなどは人々に理想を押し付けようとした。今日のオセアニアでは人々はニュースピークやダブルシンクを通じ認識が操作されるため、禁止や命令をされる前に、すでに党の理想どおりの考えを持ってしまっている。党の考えに反した者も、最終的には「自由意思」で屈服し、心から党を愛し、党に逆らったことを心から後悔しながら処刑される。
2足す2は5である(2+2=5、Two plus two makes five)
この小説を象徴するフレーズの一つ。スミスは当初、党が精神や思考、個人の経'443や客観的事実まで支配するということに嫌悪を感じて(「おしまいには党が2足す2は5だと発表すれば、自分もそれを信じざるを得なくなるのだろう」)自分のノートに「自由とは、2足す2は4だと言える自由だ。それが認められるなら、他のこともすべて認められる」と書く。後に愛情省でオブライエンに二重思考の必要性を説かれ拷問を受け、最終的にはスミスも犯罪中止と二重思考を使い、「2足す2は5である、もしくは3にも、同時に4と5にもなりうる」ということを信じ込むことができるようになる。
ダブルスピーク [編集]
ダブルスピーク(doublespeak、二重語法)は、矛盾した二つのことを同時に言い表す表現である。「戦争は平和」・「真理省」のように、例えば自由や平和を表す表の意味を持つ単語で暴力的な裏の内容を表し、さらにそれを使う者が表の意味を自然に信じて自己洗脳してしまうような語法。他者とのコミュニケーションをとることを装いながら、実際にはまったくコミュニケーションをとることを目的としない言葉。
実は作品には登場しない用語であるが、初版発刊後の1950年代に発生し一般化した言葉で、しばしば作品由来と考えられている。ニュースピークのB群語彙の定義におおむね影響を受けている。また、現実にある政策や婉曲話法などを批判的に言及する際に「二重語法」という言葉を使うことがある。たとえば事業の再構築を意味するリストラクチャリング(リストラ)を単に「従業員の大規模解雇」の意味に使用するなど。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。
日本語訳 [編集]
『1984年』 吉田健一・龍口直太郎訳、出版共同社、1958年。 - 初版は文藝春秋新社、1950年発行。現在は絶版。
『世界SF全集 10 ハックスリイ オーウェル』 村松達雄・新庄哲夫訳、早川書房〈世界SF全集〉、1968年。ISBN 978-4-15-200010-1。 - オルダス・ハックスリイ『すばらしい新世界』と『一九八四年』を収録。
『1984年』 新庄哲夫訳、早川書房〈ハヤカワ文庫〉、1972年。ISBN 4-15-040008-3。 - 現在は絶版。
『一九八四年』 高橋和久訳、早川書房〈ハヤカワepi文庫〉、2009年。ISBN 978-4-15-120053-3。 - 新訳版。タイトルも「一九八四年」と漢数字に改められている。解説はトマス・ピンチョン。
映画 [編集]
『1984』(日本未公開)、 マイケル・アンダーソン(監督) 1956年
『1984』 マイケル・ラドフォード(監督・脚本) 1984年
(なおこの映画は、日本の映画館で公然と上映された映画としては、初めて、陰毛をぼかしていないヌードを含んでいた)
テレビドラマ [編集]
『Nineteen Eighty-Four』(日本未放映)、 ピーター・カッシング主演、1954年
漫画 [編集]
『COMIC1984 - 20世紀暗黒近未来小説(デストピアノベル)の傑作』 イングソック漫画省監修、森晶麿脚本、大岡智子漫画 PHP研究所 2010年
脚注 [編集]
^ Guardian, May 8, 2002
^ 解説によると、ゴールドスタインの禁書「寡頭性的集産主義の理論と実践」の内容は、トロツキーの『裏切られた革命』を模しているとされるが、実際はオーウェル自身の権力観を書いた随筆であるという
^ この解説は1984年よりさらに未来の時点において書かれたという形式をとっている。通常の英語で書かれており、ニュースピークについて「オセアニアの公用語であり、元来、イングソックの要請に応えるために考案されたものであった」と過去形で書かれていることから、将来における体制の崩壊を暗示しているという見方もある。
"전쟁은 평화이고, 자유는 예속이며, 無識은 힘이다"
- 趙甲濟
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- 2010-07-27, 17:23











